地域レベルの国際化

言葉の馴れにも時間がかかるものです。


生活慣習の学習もそう簡単でありません。


なにより日本人と結婚しても外国人であるという人びとの眼に慣れなければなりません。


「まなざしの地獄」を覚悟しなければならないかもしれないのです。


いまでは異人とはいわないのですが、成田税関でもノン・ジャパニーズをAliens(エイリアンズ=異星人というニュアンスをもつ)から、foreigners(フォーリナーズ)とよび変えたのはつい最近のことでした。


しかも、日本人の間には白人と非白人を区別(差別)する意識は根強いのです。


アジアの貧しい国の低学歴の女性と「異なった系統(文化)」に属する外国人であるがゆえにこそ差別することなく、人間として対等につき合うというのはそう簡単なことではないでしょう。


彼女たちの子供が幼稚園や学校へ通うようになったとき、母親が外国人、それもアジア人であることが「いじめ」の原因にならないともかぎらないのです。

植物の美しさ

人間の生活は、衣・食・住といった基本的要件だけが満たされればよいというものではありません。


それ以外にも、いろいろな意味で生活を豊かにする多くのことが必要なのは言うまでもないでしょう。


ごく一般的に行なっていることのひとつは、我々の周りを緑で囲むことです。


心理学者の言っていることでもありますが、緑は人の心を和ませる色です。


庭がなくても、植物の鉢植えや切り花を生けた花瓶を並べて楽しむことができます。


現代は、景観演出に重点が置かれていて、たとえぼ高速道路の両脇や都市公園、あるいは郊外のコンドミニアムの入口を緑でどう演出するか、ということが行なわれます。


我々の食糧や医薬といった部分に植物絶滅の危機がどのような影響を及ぼすかについては周知の事実です。


しかし、その危機が日常生活に、どのような影響を及ぼすのでしょうか?


人気のある鉢植え植物の多くが、熱帯の森林に自生する植物であることは、十分に理由のあることです。

チリの巨大樹 2

チリにまだ存在する唯一の森林は、低湿地に育つ小面積の林か、または2100から3000フィートの高さのところの残存林です。


これらを守るために何度も立法措置をとろうとしてきましたが、いずれもうまくいかなかったのです。


アラース・ツリーを守るための法律が通ったのは1969年のことでした。


1976年には、チリの国の天然記念物に制定されました。


こうして、建て前としては、これ以上の破壊を免れることになったわけです。


この巨大樹は、今はワシントン条約の付属書に掲載され、この巨大樹の木材取り引きの禁止が明記されています。


しかし、こうした保護法や規定があったにもかかわらず、チリでは、伐採が大規模に続けられてきています。


本音をいえば、この木が、チリ南部の経済にとって主たる重要性を帯びているということなのです。


結局、これが1番重要とされることです。

チリの巨大樹

アラース・ツリーは、真菌類や虫に耐性があり丈夫です。


倒れた幹は、自然に朽ちるまで、何世紀もの間、原形をとどめていられます。


たいへんゆっくりと生長するために、切られてもすぐに更新することができません。


こうしてこの巨大な樹木は、2、3千年もの寿命を持ち得るので、その消滅は悲しいというほかありません。


アラース・ツリーの伐採は1599年以来のことで、その自生地のチリやアルゼンチンでの「保護」にもかかわらず、伐採行為は今日も続けられています。石塚孝一氏によると、1896年に絶滅を危惧する警告がなされましたが、誰もその当時は注意を払わなかったのです。


いまやアルゼンチンでは、国立公園にわずかの生き残りがどうにか保護されているにすぎません。


この森林に対する破壊行為のおおかたは、1850年までには終わってしまいました。


チリ南部の植民や移民の末期は、ラテンアメリカでの森林破壊が急速に進んだ時期でした。


これらの、ゆっくり生長する巨大樹は簡単に再生することはなく、伐採地ではほとんど発芽もままならなかったのです。

森林の生産物 6

鯨は、最初は、主にその油脂ー重工業にとって品質の良い潤滑油1のために皆殺しにされました。


今では、砂漠の植物であるツゲ科のシモンジア.キネンシスの種子には、マッコウクジラの油脂に匹敵しうるほどの質のよい油が含まれていることがわかってきました。


この植物は、さまざまな生産物に用いられ得るジョジョバ油を採取するため、いまではプランテーションで栽培されています。


ジョジョバ油の発見は遅かったので、起こり得る鯨の絶滅を救えないかもしれませんが、その発見によって、この植物自体が絶滅するのは免れたと思うのです。


すがすがしいほどのチリの空に、巨大な木々がそびえ立ち、それらは200フィートにはなろうかという高さです。


どっしりした幹は、直径12フィート以上に広がり、繊維質の赤っぽい樹皮でおおわれています。


これらは、楽器に最適な材のひとつとみなされているアラース・ツリーですが、屋根板の代わりに用いられることが多いです。


正しくは学名でフィツロイア・クプレッソイデスと呼ぼれるヒノキ科の高木で、北アメリカの太平洋岸に沿ってタワーのように聾えるセコイアに似ています。


両方とも球果をつける木で、海に近い、涼しく湿った空気の中で生長します。

森林の生産物 5

ナイロンのような合成繊維が初めて出現したとき、木綿や毛のような、天然繊維を扱う世界市場が暴落しました。


しかし、合成ゴムのように、最もよい衣類は、天然繊維だけや合成繊維だけからつくられるのではなく、両方の混合物からつくられることがわかりました。


天然繊維が、また人気を呼んでいるのは、石油価格の上昇により、合成繊維製造費も上がってきたためです。


植物は、衣類をつくることのできる、多くの種類の繊維をつくりだします。


木綿が最も広く普及していますが、他のものもよく使われています。


たとえば、リネンは、アマ属植物によって生産されますが、それはまた、亜麻仁油の原料でもあります。


アサは、もともと繊維資源として古くから広く栽培されていたものであり、大麻の利用はずっと後のことです。


そして、リュウゼツラン属の一種から採れるサイザル麻は、ロープをつくるのに用いられます。


他の種も、硬いが柔軟性のある繊維を生産する可能性を持っています。


たぶん、このような生産物を植物に頼っていくなかで困るのは、どの植物が価値ある生産物を持っているか予知できないことであり、また、供給が少なくなった植物の代用としていつ必要とされるかを予知できないことです。

森林の生産物 4

ゴムに対する産業上の需要は増え続けていますが、木からこのような化学物質を採るには高い人件費がかかります。


したがって、より安いゴム資源を探さなくてはならないのです。


よりよいゴム資源を求めていた1940年代の終わり頃、クラスタマメ(キアモプシス・テトラゴノロバ)の種子からグアゴムが発見されました。


これらの植物は、今日では、そのゴム含有量も増加していて、約5万トンのグアゴムの種子が、1979年にはアメリカ合衆国に輸入されました。


いまも需要は増え続けています。


それにつけても、もしこのような価値が見出される前に、その当時の人々がどの植物を将来のために救うかを選択していたら、たぶん、この植物は見落とされていただろう、目立たない植物の例です。


このように古くから知られていたマメ科植物が、重要な産業的役割を果たすとは、1940年より前には誰も予想だにしなかったでしょう。

森林の生産物 3

森林全体が、遺伝的に同一の「超樹木」(supertrees)に置き換えられ得るのです。


このことは、林業上経済的な意味で疑いなく好ましいことですが、同一の樹種からなる森林は、そのプランテーション全体で、病気に対してまったく同じ抵抗力しかないことを意味します。


すなわち1つの集団全体が、病原菌によって簡単に一掃されてしまうのです。


農作物において同一の遺伝子を持つことの危険性は、森林にも当てはまるということです。


草と同じように、木も化学物質を産します。


紙の生産や、織物ににじみ止めを塗るのに、よく用いられる化学物質はゴム(粘質ゴム)です。


ゴムには、食物安定剤から、漆喰の壁ににじみ止めを塗ることにいたるまで、さまざまな利用法があります。


世界のゴムの供給のほとんどをまかなっているのはアラビアゴムで、スーダンに生えるアカシア・セネガルのような種類から、退屈するほどの時間をかけて集められる物質です。


これらの木の粘着性の樹液は、その木が傷つけられると生産されます。


この粘着性の樹液は、ちょうど、かさぶたが傷口をおおうような働きをするのです。

ごみ問題について考えよう

ごみ処理や収集マナーをめぐる問題は、ルールや協力に無頓着であったり、平気で投げ捨てや置き捨てをしたりする人が5~10%もいると、ごみ集積所もきれいに保てず、分別収集の協力具合も完壁とはいきません。


公共地でのごみの散在をなくすこともできないことです。


こうして、いまやごみ問題における住民の意識や協力をめぐる問題は、多数派の住民ではなく、少数派の住民との関連で把握されなければならなくなっています。


徹底した権力政治、恐怖政治でも断行しない限りなくすことはできないこうした数%前後の住民の存在を、行政は非難したり嘆いたりするのではいけません。


その数をできるだけ少なくする努力はしつつも、その存在をむしろ前提にしたごみ処理・リサイクルのシステムを、築いていくべきなのではないでしょうか。


ところで、数年前の読売新聞の世論調査結果において、きわめて興味があるのは、いわゆる消費者ニーズについてです。


使い捨ての製品や容器の関連業界が必ずといってよいほど口にするのは、こうした製品や容器を扱うのは、それらが売れるから・・・


つまち、消費者ニーズが高いから、という点です。


あたかもごみ問題の要因は消費者サイドにある、といわんばかりですよね。


しかしこうした企業ばかりではなく、リサイクルトナーの利用を促しているきちんとした素晴らしい企業も多くあるのです。


それだけは忘れてはいけません。

森林の生産物 2

熱帯各国の政府は、自然林と単一樹種のプランテーションとを区別できないことが多いのです。


保護論者のウィリアム・マイヤー博士は、1977年、ウィスコンシンのマディソンで開かれた「熱帯森林の利用促進に関する会議」における、妨害行為を経験しています。


会議では、保護論者のグループは、森林の合理的利用を訴えました。


そして会議の議事録を出版するときになったら、そのグループの論文は除かれたのです。


マイヤー博士によれば、会議に出された論文のほとんどは、小枝や枝さえをもチップボードや紙パルプに変えたりする機械の性能とか、自然林を単一なマツのプランテーションに変えるといった話題を取り扱ったものでした。


森林経済のありかたは、明らかに世界の生態系への関心に逆行するものです。


単一樹種で植林された森林は、自然林とは比較になりません。


現代の組織培養法により個々の木の無性生殖が可能になったので、まったく多様性が見られないのです。