斜陽に立つアメリカ 3
「大砲もバターも」と豪語して、ベトナム戦争をひたすらにエスカレートさせていったジョンソンも、1968年の大統領選にはついに出馬を断念せざるを得ませんでした。
他方、このことはケネディに敗れて、もはや過去の人とみられたニクソンに息を吹き返させました。
彼は抜け目なく「名誉ある撤退」を旗印としてカムバックし、政権を獲得してしまいました。
・・・しかし、彼のもとでも、和平交渉に入ったとはいえ、戦闘はなお続き、戦争が終結したのはようやく1973年に入ってからでした。
しかも、米軍の戦死者の3分の1はこの間に出たものでした。
ベトナム戦争が規模といい損害といい、このように国民が想像した以上に無残な敗戦に終わったことは、彼らの心の中に深い傷跡を残したのです。
・・・同時にアメリカ史上、この戦争ほど多くの国民の批判や抵抗を呼び起こしたことはなかったのです。