自治体の可能性
総則とあるから、憲法の前文に当たるような地方自治の基本理念が書かれているかというと、そうではありません。
まず第一条で「この法律の目的」があり、第一条の二で地方公共団体の種類、第二条で地方公共団体の法人格、事務、自治行政の基本原則、第3条で地方公共団体の名称、第4条で事務所の位置の決定・変更が規定されています。
ここには住民自治の基本理念はなにも書かれていないのです。
「住民」の規定が出てくるのは次の第二編普通地方公共団体の第一章通則(区域、廃置分合・境界変更等)につづく第二章の第10条から第13条までです。
この地方自治法の構成と規定内容をみて、すぐ気づくことは、なにより、地方自治法は住民自治の原則を正面から打ち出さず、いわば裏口からしぶしぶもぐりこませたのではないかということです。
それは、「住民」の登場のしかたが、あまりに散文的で、しかも消極的であることに示されています。
地方自治というものは住民が主権者として主体的に形成し維持するのだという原則がうたわれるのではなく・・・
まず地方公共団体があって、その団体の区域内に住所を有する者を住民と規定するという、なんともあじけのない捉え方です。
しかも、第一義的に住所を有するところが市町村であり、その住民になれば自動的にその市町村を包括する都道府県の住民になるのです。